石井さんの今日要

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O2O時代のショールーミングを考える

ザックリこんな記事

  • 買い物のしかたって変わってきましたよね?
  • ショールーミングって言うんですよ。
  • 量販店が大打撃を受けてます。
  • どんな対策で乗り切るの?
  • O2Oな時代ならではの方法と実例。
  • 中小個人商店も人ごとではないですよ。

最近のあなたの買い物スタイルどうですか?

IT家電やPCギアにはじまり、食料品屋衣料品に至まで、皆さんはどのような購入方法をしていますか。
AIDMAからAISASへと変遷し、多くの人たちがスマホタブレット端末を手にして、AISASの「S」の部分により拍車のかかる昨今、まずはネットで性能や評判を調べるのではないでしょうか。そして納得したならば、最安値を探して購入をすると思います。

とは言え、高額な製品を購入する場合にはやはり実物が見たいものです。
そこで仕事帰りや休日に店頭へ出かけることでしょう。そしてお目当ての製品に問題が無ければ、帰ってからAmazonなどのオンラインショッピングサイトを経由して購入することでしょう。

これをショールーミングと呼びます

ご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、先ほどの一連の動作を「ショールーミング」といいます。そうすることで、多くの人がより安く、大量に、自分の欲しいものを購入することができるため、この流れはこの先もますます広がっていくことは間違いありません。

店頭量販が立ち行かない時代

先日、インターネット通販大手として知られるAmazon電子書籍専用端末「キンドル」を国内発売しました。先進のIT家電の発売にもかかわらず、ついにこんな事態が起こっています。

ヤマダ、ヨドバシなど「Kindle」販売見送り

スケールメリットが最大限に活かせる大手家電量販店ですら、ついに顧客流出と下げ止まらない価格に対して懸念をし、ついに自店での販売にSTOPをかけたのです。
皆さんもご存じの通り、Amazon電子書籍の大手であると同時に、インターネットショッピングでも最大手であり、ショールーミング後の購入先となる競合相手なのです。
よって当然、家電量販店は警戒を強めることになります。

一説には、Amazonで販売されている家電はほとんどが原価割れしていて、「粗利益計算」ではなく「荒損失計算」の前提とも言われています。それらを、その他の販売品目の利益でカバーするカタチで収益が上がっているとの話もあります。
そんな状況で、真っ向店頭販売の家電製品が比べられれば当然勝ち目はなくなってしまうわけです。もう、スケールメリットを活かして量販するという次元では話にならないのです。

もう店頭での量販自体がある意味限界というか飽和の飽和を迎えているのかも知れません。
とはいえ、店頭での販売がこの先もなくなっていくことは考えにくいことです。さて、どうしていったら良いのでしょうか。

ショールーミングにはショールーム化で対抗

ここからは、ひとつの自分なりのアンサーとして、ショールーミングの対策を考えていきたいと思います。ショールーミングによって、価格崩壊や、立ち行かない店頭販売が続きます。そこで価格に対して困るのであれば、いっそ逆手にとって、ショールーム化してしまうと言う対抗策をとっていくべきなのではないかと思います。

他店対抗価格も限界がある。店頭に来ても価格が表示してないでは問題。であるなら、争わない価格表示にしてしまえば良いと思います。ココまでだと、オンラインショッピングにバンザイお手上げなだけとなってしまいます。しかしスマホが多く流通し、最近再定義語として脚光を浴びているO2O(オーツーオー)的な発想で勝負をすれば、少なくてもメリットは生まれてくるのでは無いかと思います。

O2O的発想で勝負する

O2O=オンラインからオフラインへの転嫁を如何にうまくするかというのがザックリとした定義です。自分はこの逆のオフラインからオンラインも必要だと思っています。
この考え方をする上で、重要なのがスマホになります。スマホには当然ですが、無線LANGPSが受信できる機能がついています。これらをうまく活用して、クーポン発給や特典をつけるなどの試み〜実践があちこちで始まっています。

この原理をうまく利用すれば、ショールーミングの対策は可能だと思います。店頭のみの超特売価格を設定し、店内の無線LAN経由で購入したときのみその価格が適応される。こうすることで、店舗での激しい価格競争は、おもむろに展開されることもなくなります。そして、自社流通倉庫から直送ができるため、物流コストも軽減されるはずでしょう。

近い実例があります

先ほど述べたショールーミング対策は、実は近いことをしているお店がすでにあります。
何処かというと、Apple Store です。店頭で、Apple Store というアプリを起動すると、店舗専用の情報が配信されています。そのひとつとして、EasyPayという機能があります。
このメニューを選択するとバーコードスキャンができ、そのまま、オンラインショッピングの該当する商品のページへとジャンプします。そして店頭にいながらにして、オンライン購入ができてしまうのです。はじめてこれを知ったときはホントに見事なショールーミング対策だと感心しました。
EasyPay

最後に残るものは顧客価値

ただこれは、Appleだからできるという側面も否めないと思います。
これまでもワンプライスを貫き通し、量販店経由の販売でも値引きをさせなかったことはよく知られています。そしてこの経済状況下でも価格崩壊を起こさず、あれだけの利益をたたき出せるに至っています。 これは、他のナショナルブランド製品ではには少し難しいことかも知れません。モノを見たとたんに「で、いくらになるの?」でしか話しができない流通形態が確立されてしまっているからです。 そして、それを確立してしまったのもまた、量販店という皮肉な縮図があります。

こうならないためにも、やはり、値段だけではない、ブランド名だけではない何か、すなわち顧客価値を創出する必要があるわけです。この先はそれができない店舗はなくなっていくことになるのでしょう。そして、その顧客価値を創出する一番理解されやすい方法は、やっぱりショールーム化なのではないかと思います。

今後のすべての店舗に関係するはなし

これは、量販店に限らず、今後の中小個人商店でも同じことが言えます。
店舗は集える場所であり、そこへ行けば何かJoyやFUNが得られる場所へと、主な目的は変わっていくのでしょう。そして、顧客価値が生まれた流れの中で、事後的にオンライン経由でお金がおちる仕組みへ変わっていくことでしょう。 量販店に限らず、中小個人商店であっても、この感覚は今後のために頭の片隅へともっておくべきでしょう。